最近では、塾通いしている生徒がほとんどなのではないでしょうか。
なぜ、生徒は塾通いをするのでしょうか。
もちろん、学校の授業についていけない、さらに成績をあげたいという生徒もいます。
しかし、塾通いの一番の目的は、「入試に対応できる力をつけるため」だと思います。
つまり、学校の授業だけでは入試力をつけることが難しいと考えている生徒、保護者が多いということなのです。
様々なレベルの生徒を教えており、かつ使わなければならない教科書が決められ、制限があります。
その中でも、「楽しく、かつ、入試力を身に付けられる授業」を提供していくことができたらなと思っています。
今回は、私がそのために実践していることをいくつかお伝えしていきたいと思います。
入試力とは具体的などんな力をつけること?
①聞く力
入試問題では、必ずリスニング問題が出題されます。
だいたい、20点分が出題されることが多いのではないでしょうか。
このリスニングで、だいたい8割−9割の力をつけさせるためにやっておくべきことをお伝えします。
授業の中で聞く時間を作る
まず1番大事なのは、生徒の中にある「英語は聞けない、わからない」という先入観を捨てさせましょう。
そのためには、毎回の授業で、必ずリスニング問題に触れるということが大切です。
教科書にもリスニング問題はのっていますし、教材を購入してもよいでしょう。
おすすめの教材は、「毎回3−5分くらいでリスニング問題に取り組める」という特徴のものです。
最もおすすめはこちらの「聞きトレ64」です。
聞きトレ64 1年〜3年 浜島書店 Aパターン (本誌トジ 手引バラ) 460円(本体418円) |
問題を先に見て、メモを取る習慣をつけさせる
リスニング問題が苦手、点数が取れない子の中には、英語はそこそこできるのに、という子も多くいます。
彼らが点数がとれない原因は、リスニング中に瞬時に話されていることを理解してはいるが、忘れてしまったり、記憶があいまいになってしまうからだと思います。
そこで、「問題を先に見て、大体の内容を予想し、大事な部分のメモを必ず取らせる」ことを習慣にさせます。
そうすれば、少しずつ得点を上げていくことができます。
・聞く時間を増やす ・1時間の中に必ず3−5分とること ・リスニングの間にメモを取る習慣をつける
②読む力
いわゆる「長文」と言われるものです。
多くの受験生が苦手とする分野です。
読む力を上げるには、たくさんの長文を読むこと以外に方法はないと思っています。
練習問題として、多くの問題に触れるのはもちろんのこととして、普段の授業から行える対策をお伝えします。
教科書本文の訳ですが、必ずペアワークで訳を言わせます。
もちろんヒントシートは使いたい子が使えるように用意していますが、基本的には自分たちの力で和訳させます。
やり方をお伝えします。
①2人ペアになり、片方が教科書本文の英語を読みます。
②もう片方の人が聞いた英語の部分を和訳します。
③一通り終わったら交代します。
④全てのペアが終わったら、先生が本文に関するTF問題を出題し、理解度を確かめます。
③書く力
入試には必ず「英作文」が出題されます。
傾向こそは様々ですが、入試では必ず「書く力が試されている」ということがわかります。
3年生の夏休み以降は、ぜひ各都道府県の過去問に取り組み、実際に英作文を書くという練習をしてみてほしいです。
しかし、いきなり入試レベルの英作文を書くというのは、かなりハードルが高いものです。
そのために、1、2年生からできる「文を書く力」を身につける活動をご紹介します。
自己表現書き溜めシートの活用
これは、コミュニケーション活動の一環として、取り組んでいるものです。
新しい文法事項を習うたびに、自分のことを表現するカードにその文法事項を使って自己表現を書き留めていきます。
(例)
Happy Communication Card
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このカードに書き留めていくことによって、文法事項が頭の中に入っていきます。
また、これはただの書き溜めシートではなく、コミュニケーション活動にも活用することができます。
このカードを使って、クラスメイトに自分のことを表現し、また相手の自己表現を聞くことで、英語の理解度も深まり、絆も深まります。
教科書のレッスンごとに復習英作文の問題をつける
私は、教科書の本文を扱う時に、単語を調べやすくするための単語リスト、教科書の訳をお助けする訳付きの練習プリントを用意しています。
その練習プリントの下に、少し隙間ができるので、そのレッスンで習った文法事項を復習できる英作文練習問題を作っています。
これを毎回やることで、生徒の文を作る力は確実に身についてきているなと実感します。
最後に
いかがでしたか。
来年度から、都立入試ではスピーキングテストが実施されますが、それは希望者のみということになっています。
基本的には、今回お話しした、「聞く力」、「読む力」、「書く力」の3つの柱が基礎のなります。
がっつりと入試対策とすると、生徒も身構えてしまいます。
その基礎となる部分をできるだけ1、2年生のうちから取り組んでおくことを、そして毎時間取り組む時間を設けることをお勧めします。