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中学校教員の労働時間の実態〜激務は本当なのか〜

「激務でしょ。」

 

「大変ですね。」

 

「職業は何ですか。」と聞かれて、「教員です。」と答えると必ずこう言われます。

 

確かに、「大変だし、激務かもしれない。」

 

しかし、私は「働き方次第である。」とも思います。

 

今回は、中学校勤続5年目の私が、1年目から今までを振り返り、お話ししていきたいと思います。

 

1年目の実態

 

1年目の私

担任 初任から中学1年生の担任、まあ大変なクラスでした。
分掌 生徒指導部(分掌的な仕事はあまり大変ではなかったですが、突発的な対応が多かったです。)
部活 運動部顧問(複数顧問)
私生活 一人暮らし

 

この頃は、学校のそばに住んでいましたが、朝は7:45ごろに出勤、退勤は20:00~21:00でした。

 

大変だったことは、とにかく学級経営もうまくいかず、トラブルが頻発していたこと、授業の仕方も手探りだったので、教材作りに時間がかかっていたことでした。

 

空き時間は1日最低2時間はありましたが、時間の使い方もわかっておらず、放課後の時間を使わないと仕事が回りませんでした。

 

家に帰り、お惣菜など出来合いのもので食事を済ませ、お風呂に入り、倒れるように眠るという日々でした。

 

土日はどちらかが部活、試合などがあればどちらも出勤でした。

 

あまりにも大変すぎて、何度も辞めようと思いました。

 

しかし、とりあえず1年は頑張ろうという思いだけで頑張っていた気がします。

 

1年目は、何事も初めてで時間がかかっていた。
土日も部活の日もあったが、睡眠時間は絶対に最低6時間、できれば7時間以上取れるようにそこだけは守っていた。

2〜3年目の実態

担任 持ち上がりで2、3年と担任
分掌 生徒指導部

生徒会担当 (学校で一番大変な分掌だと思います。拘束時間が長いです。)

道徳担当

部活 運動部顧問から、文化部顧問へ(単独かつ演奏会あり)
私生活 一人暮らし

2〜3年になると、学校の動きにも慣れ、心の負担は減っていきました。

 

しかし、途中で分掌や部活が変わり、大変な時期もありました。

 

授業には慣れていきましたが、まだ教えたことのない学年だったので、先輩の資料を借り、真似して教材を作りました。

 

また、勉強会にも参加して、力をつけようと意欲的でした。

 

部活が文化部ということで、演奏会や発表会前以外は土日出勤がなくなったので、身体的にも楽になりました。

 

この頃からプライベートでも、友達と遊んだり、習い事をしたり、出会いの場にも出かける余裕が出てきました。

 

3年生をもったときは、進路面でのプレッシャーや負担、気苦労がありましたが、幸いにも副担任の先生に恵まれ、サポートしていただくことができたので、乗り越えることができました。

 

この頃もまだ1年目と変わらず、20:00ごろまで働く日もありましたが、早く帰れる日は18:00〜19:00に帰るようになりました。

 

勤務時間は少しずつ短くなった。
授業準備には時間がかかっていたが、効率よく仕事をすることの大切さを理解し始めた。

3年間勤めて感じたこと

①教員の勤務形態のおかしさ

学校には、「休憩時間」というものが存在しません。

 

実際には存在するのですが、形骸化しています。

 

学校の勤務時間は、学校や自治体にもよりますが、大体が8:15~16:45です。

 

企業のように、お昼休みがないため、16:00~16:45が休憩時間となっています。

 

しかし、行事の準備や生徒指導、委員会や部活指導、そして会議を入れられることもあり、実質「休憩時間」はなしです。

 

これに疑問を感じますが、変わる様子はありません。

 

②勤務時間外に部活指導があることのおかしさ

これはこの仕事の一番嫌なところです。

 

どうして、勤務時間外に「生徒の命を預かっていなければならないのか。」と思うのです。

 

私たち自身が保障されていない中で、生徒に何かあれば責任を負わなければならないのです。

 

私は今、主顧問として、部活を見ているので、部活動の時間はきっちり、スポーツ庁の「部活動ガイドライン」(https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/013_index/toushin/__icsFiles/afieldfile/2018/03/19/1402624_1.pdf)を守っています。

 

顧問の先生が、自分自身、家族を守るために時間を決めて良いと思うのです。

 

③定時という意識の低さ

初任者の頃は、「早く帰ること」に罪悪感がありました。

 

なぜなら、周りの先生があまりには定時を過ぎても帰らないからです。

 

部活がある時間ならまだしも、20時すぎでも5割くらいの先生方が残っているのです。

 

「長く働くことが美徳。」が顕著な職場です。

 

しかし、それが災いして突然病気になって入院したり、うつ病になったりして、体調を崩す先生が多かったです。

 

そうなってしまうくらいなら、毎日早めに帰り、体を大事にしたほうがいいと思います。

 

4〜5年目の実態

担任 1、2年生担任(持ち上がり)
分掌 学習部(学活、総合、道徳、進路学習などを担当の分掌)

道徳担当

部活 文化部顧問へ(複数顧問制)
私生活 一人暮らしから結婚して学校から1時間ほどの場所へ転居

2周目となり、教材もほぼ使い回せるので、授業準備がかなり楽になりました。

 

責任のある仕事を任されるようになりましたが、仕事を楽しんでできるようになりました。

 

授業数は圧倒時に多く、1日空き時間はあって1時間です。

 

しかし、その日のやるべきことリストを朝のうちに作り、とにかく空き時間で仕事を終わらせるつもりで必死にフルで動いています。

 

空き時間となれば、おしゃべりタイムの先生が多く、それに巻き込まれることもありますが、仕事をする手は絶対に止めません。

 

仕事上の大事な話となれば別ですが、しょうも無い無駄話に付き合う時間ははっきり言って無駄です。

 

仕事しながらでしか話を聞かないとなれば、だんだんと話しかけられなくなります。

 

自分にとって大事なものは何かを考えた結果、「仕事をどんどんこなし、頼られる人間になること、そして早く帰ること。」でした。

 

また、結婚もしたため、自分にとって一番に大事にしたいものは「家族」だと心から思うようになったからです。

 

この頃から、帰宅時間は早くなりました。

 

部活がOFFの日は、基本的には「定時で退勤する」ことを心がけています。

 

どんなに遅くでも、絶対に19時前には学校を出ることを守っています。

 

現在の勤務時間は、7:30〜18:00くらいです。(これでも長いですが・・・)

 

最後に

私は、初任からこの5年間の間に、たくさんの分掌を経験しました。研修にもたくさん参加し、研究授業も何度もやらせてもらいました。

 

学校の運営に関わる大きな役割や行事の担当もずっとしていました。

 

運動部から文化部へと変わったことはとても大きかったと思います。

 

しかし、5年目で「割と早く帰れるようになった。」のは、仕事の要領を得たことと「早く帰ることは罪悪感を感じることではない。」と思ったからです。

 

今、教員になったばかりの先生やこれから先生を目指す人には、「自分が意識すれば早く帰れる。」ということを伝えたいです。

 

そして、職場にいる「早く帰るけれど仕事のできる先生」と「いつまでも学校にいるけれどなにをしているかよくわからない先生」を見つけてください。

 

これからの若者が、「長く学校にいること=生徒思いでいい先生」なのではなく、「やるべきことをやり、早く帰り、仕事意外に大事なものをもっていて、いつも元気な先生=生徒思いでいい先生」であることを示していくべきなのです。

 

私はこれからも、さらなる労働時間削減のために努力していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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