総合的な学習の時間は、週にだいたい2時間程度ありますが、先生方はどのように授業をされていますか?
担任をもっていると、なかなか他の先生の総合の授業をみせてもらえることが少なく、授業の仕方に悩みませんか?
そして、今年度は、前代未聞のコロナ禍。
予定されていた校外学習、キャリア講演、修学旅行が規模縮小、もしくは延期になっていると思います。
今回は、こんな悩みを元に、「総合的な学習の時間の充実と工夫」について、考えていきたいと思います。
では、さっそく始めていきましょう♪
「総合的な学習の時間」は遊びの時間!?
総合的な学習の時間は、通称「総合」と呼ばれています。
学級活動の一環として、レクレーションの時間に使われたり、日常の学校生活のなかで、やらなければいけないこと(他の時間で消化しきれなかったこと)を片付ける時間のようなイメージがあります。
なんとなく、進路や職業について考える時間のようなイメージもあったので、この目的はしっくりくるのではないでしょうか?
総合的な学習の時間の数
先ほど、「人生について考える時間」と申しました。
授業の内容ですが、決まった教科書もなく、テーマも指導方法も自由です。
よく言えば、指導者のやりやすいように、自由に授業を組み立てることができますが、経験の少ない先生にとっては、どのように授業を行ったらよいのか、とても苦しい課題になってしまうと思います。
私も、教員になったばかりの頃は、「道徳」と「総合」の授業が、担当科目以上に苦手でした。
時間数ですが、これが結構あるんです。
小学校 | 1年生:生活科として102時間
2〜4年生:105時間 5〜6年生:110時間 |
中学校 | 1年生:50時間
2年生:70時間 3年生:70時間 |
小学校の先生は、本当にご苦労させていると思います。
中学校は小学校と比べると少ないですが、なかなかん授業数ですので、年間を見通して、計画を立てていくことが鍵となそうです。
総合的な学習のおすすめの授業のテーマ
行事の準備に当てられる時間(修学旅行のコース決めなど)以外でのおすすめを紹介していきたいと思います。
総合の時間で、生徒から人気のテーマは、以下の通りになっています。
生徒も将来の自分について、「考えるきっかけ」が必要だと考えているようです。
①ダイヤモンドランキング
「仕事を選ぶ上で大切にしたい条件」をダイヤモンドランキングにしていく取り組みです。
(やり方)
(実施してみた感想) 班によって、全くランキングが違うところもありました。班の中で、それぞれ重視する条件が異なり、意見が一致せず、ランキングを完成させかったところもありました。それはそれで真剣に考えた結果ですので、それも「ひとつのかたち」でオッケーなのです。その班には、詳しく「どんな意見がでたか」を聞きました。一人一人が、仕事を選ぶ際の条件について、真剣に考え、「何を重要視するのか」について、考えを深めれらたので、とても充実した時間となりました。給料さえよければよいと考えていた生徒も、「プライベートの充実」「職場の人言関係」なども考えていくべき条件だと気づいたことがとても大きかったと思います。 |
②人生すごろく
人生のおける「選択」の連続を、35歳までですが、すごろくを進めながらで考えてみました。 参考にしたのは、「神奈川県福祉子どもみらい局人権男女共同参画課」が作ったライフキャリアすごろくです。 (やり方)
(実施してみた感想) 楽しみながらできることが最大の利点だと思います。働くこと意外にも「結婚するかしないか」、「子どもをもつか、もたいないか」など、人生は選択の連続だと気づく生徒も多くいました。一つ一つの選択に「正解」はなく、自分が納得できる人生を歩んでいってほしいと伝えました。また、私自身がここまでどのような選択をしてきたのかということも話しました。生徒は身近な大人のひとりとして、真剣に話を聞いていました。 |
③上級学校訪問・上級学校調べ
特に中学2年生だと、翌年に控えている高校受験を気にする時期です。
この時期に、本来ならば、「上級学校訪問」(高校見学)に行くのですが、令和2年度はコロナウイルスの関係で、思うように高校見学にも行けないので、学校でいかに中学校卒業後の進路について学ぶ機会を作ってあげられるかが大切だと思います。 (やり方)
(実施した感想) 1人2〜3分の目標でしたが、みんながそれ以上発表していたので、とても濃い発表となりました。自分の調べた学校だけでなく、友達の調べた学校を知ることで、「まだ志望校が決まっていないほとんどの生徒」にとって、多くの上級学校を知るとても良い機会となりました。 |
最後に
いかがでしたでしょうか。
総合的な学習の時間は、たくさんの活動を行い、子どもたちの「考える力」を伸ばし、「生きる力」を身につけさせてあげることが最大の目的なのだと思います。
最初からうまく行くことはありませんし、経験を重ねても毎回試行錯誤です。
それでも、それを繰り返すことで、生徒の力も先生の力も伸びていくと信じています。
参考になれば幸いです。