前回は小学校の英語教育について、書きました。
小学校の英語の内容って何をやればいいの?〜必修化の理想と現実〜
小学校にはまだまだ英語の専科の先生の配置が追いついておらず(全体の5%)、教科書1つで
手探り状態の授業が展開されていると思います。
悩める子ネコB
具体的な授業のアイディアが知りたい。
こんなお悩みにお答えして、授業の流れやアイディアを考えていきたいと思います。
教科書の内容
2020年度から文部科学省から、『We Can!』シリーズを使っています。
小学5年生で①を、小学6年生で②を終えるような構成になっているようです。

教科書の内容
| We Can!①:小学校5年生扱う内容 |
- When is your birthday?(月・行事)
- What do you have on Monday?(学校生活・教科・職業)
- She can run fast./He can jump high.(できること)
- I want to go to Italy.(行ってみたい国や地域)
- Where is the treasure?(位置と場所)
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| We Can!②:小学校6年生扱う内容 |
- He is famous. / She is great.(人物紹介)
- I like my town.(自分たちの町・地域)
- What do you want to watch?(オリンピック・パラリンピック)
- What do you want to be?(将来の夢・職業)
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中学生で扱うような不定詞の内容までも盛り込まれています。
詳しくは中学校に行ってから、丁寧に文法から教えますので、小学校の英語の授業の目的は、やはり「英語で表現することが楽しい!」と感じられるようにすること、英語への興味を高めることです。
文法の説明をしなきゃ!と思わないこと。音で、リズムで、覚えられて、英語への興味や関心が高まる授業を目指そう!
文法は中学校できちんと丁寧にやりますのでご安心を!!
やっぱり小学生のいいところって、反応がいいところ、素直なところだと思うんです。
そのよさを最大限に活かして、授業を展開できればこっちのものですね。
授業の展開例
小学校の先生がいきなり英語の授業をするのは、とても大変だと思うのです。
型通りというのも、先生方のオリジナリティーが失われてしまうとも思いますが、参考程度に授業の展開例を載せておきます。(アレンジなどご自由に使ってください!)
授業の流れ
- 単元:When is your birthday? (We Can! ①)
- 4技能:Speaking(S),Listening(L),Reading(R),Writing(W)
- 45分授業
| 展開 |
4技能 |
学習活動 |
アドバイス |
時間 |
| greeting(あいさつ) |
L,S |
クラス全体でのあいさつ
- Hello.
- How are you?
- What day is it today?
- What’s the date today?
|
- 全員であいさつしよう
- Good morning/Hello以外の質問は発達段階に合わせてできればでOK!
|
3min |
| Singing(うた) |
L,R |
歌詞カードをみながら全員で歌う
- twinkle,twinkle,little star(きらきら星)
- Hello,Goodbye
|
- 小学生にぴったりな易しめな英語の曲を選ぶと良いです。流行りの曲でもOKですが、歌えるようになることが大切です。
- 1ヶ月などある程度の時間を歌えるようになると楽しいです。
- 英語のみ、カナつきをワークシート両面で準備するとGOOD!
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5min |
| Key sentence
(今日の重要表現) |
L,S,(R),W |
When is your birthday?の導入、説明
- いきなり英語でWhen is your birthday?と問いかける。
- 日本語でも答える子はいる。Do you know how to say your birthday in English?(英語で自分の誕生日言えるかな?)と尋ねる。
- 今日のめあて:英語で自分の誕生日を言えるようになろう!
- 1月から12月までの月の英語名→自分の誕生日の言い方→誕生日の聞き方の順で進めていく。
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- 黒板に月名(イラスト入り)を貼り、何度も何度も言う練習をする。
- ペアワークで1〜12月を言う練習をする。
- 手元に月名、日(1〜5日生まれは言い方が異なること『first,second,third,forth,fifith,』6日以降は数字プラスthになること)が書いてあるワークシートがあると良い。
- ワークシートにカナを振ることには賛否両論があるが、私は賛成派。置いてけぼりを作らないため。
- 自分の誕生日を書いてみる。(ワークシートor 教科書)
- 誕生日の聞き方を何度も繰り返し練習する。
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20min |
| Review |
S,R |
今日の振り返り
- 先生がWhen is your birthday?と問いかけたら、全員が答える。その逆パターンもやってみる。
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- 今日のめあてが達成できたかを確認する。
- 次回は友達の誕生日をインタビューすると予告しておく。
|
5min |
中学生を教えているので、小学生に45分の授業でどこまで伝え切れるかは想像するしかなかったので、若干詰め込みすぎな部分もあったかもしれません。
先生方の判断で、順番を入れ替えたり、工夫をしてみてください。
文法の説明はするとしてもさらっと。子どもの「それって英語でなんて言うの?」という興味・好奇心を刺激する工夫を!
最後に
いかがでしたか。小学校の教科書の指導書などにも目を通してみました。
その中では、文法導入→教科書を進めていく→自己表現(自分ごとに置き換えて表現する)というような順番で授業を展開するのが望ましいように書かれていました。
しかし、授業をしていくと、子どもは自分の身に置き換えて考えられないと知的好奇心が刺激れず、興味をもてずに終わってしまうことが多いように感じています。
今回の単元だったら、「自分の誕生日は英語でなんて言うんだろう?」と思うような発問ができなければ、ただの文法を説明して、定着せずに終了と言うことになってしまいます。
どの単元でも、どの文法事項でも、「自分のことを表現したい!」を大切に授業を展開されていくと、良いと思います。