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2021年新学習指導要領全面実施による様々な変化(英語編)

2021年1月に行われる大学入試共通テストは、センター試験から名を変え、内容も難しくなるようです。

 

今、戦後最大規模の教育改革が起こっていると言われています。

 

グローバル化する社会に対応し、思考力、判断力、表現力をもち、主体的に社会と関われる人材を育てていくことが求められているのです。

 

そのために、私たち教員も教育改革の柱である新学習指導要領の全面実施に向けて、授業のやり方、評価の仕方を変えていかなければならないのです。

 

特に、「大学入試改革」、「小・中・高 新学習指導要領の実施」と共に関連付けて勧められているのが、「英語教育改革」だそうです。

 

グローバル化する社会では、英語を話すことが多く、「英語を話せることが当たり前」になりつつあります。

 

よく、「英語4技能」とよく言われますが、今後は「聞く、話す」により、重点が置かれた入試形態に変わっていくことが予想されます。

 

今回は、来年度から実施される新学習指導要領の解説、英語教育改革に対応した、英語の授業づくりの工夫を考えていきたいと思います。

 

・大学入試改革 ・小・中・高 新学習指導要領の実施 ・英語教育改革
特に英語を使い、自分の意思を伝えたり、相手の意図を汲み取ろうとする力がとても大切になっている。

教育改革の概要

教育改革の概要

2020年度
  • 小学校で「新学習指導要領」が全面実施
  • 2020年度大学入試(2021年1月実施)より、「大学入試センター試験」に代わり「大学入学共通テスト」を実施(大学入試改革の第一段階)。
    ☆英語の問題も大きく変化(TOEICの問題に似てきている?)
    ☆英語民間試験の成績を共通テストに使用開始→2019/11/1付で文科省が英語民間試験の使用開始の延期を発表
2021年度
  • 中学校で「新学習指導要領」が全面実施
2022年度
  • 高校で「新学習指導要領」が年次進行で実施
    ☆すべての高校で、この年度の新入生から英語の授業が新課程に移行
  • 都立高校では、2021年度からの入試で実施予定だった、スピーキングテストがこの年から導入される予定。(2021年度が、新型コロナ ウイルスの影響の影響で延期。)
2024年度
  • 2024年度大学入試(2025年1月実施)より、新学習指導要領に準拠した入試が開始(大学入試改革の第二段階)。

☆すべての大学の、英語を含む入試の方針が変化

 

教育改革でそれぞれ変わること

小学校

英語学習スタートの前倒し
  • 従来、小学5・6年生を対象に行われていた「外国語活動(英語)」の授業が前倒しとなり、小学3・4年生からスタート
  • 年間の時間数は35単位時間なので、週1コマ程度の授業が追加で実施される。
  • 小学校5、6年生で、教科としての「英語」学習がスタート。
4技能5領域
  • 新学習指導要領では、「話す」ことをさらに、「発表」と「やり取り」に分け、「聞く」「読む」「書く」「話す(やり取り)」「話す(発表)」の4技能5領域を通して、英語で伝え合う力を身に着けることとしている。
小学校での習得語数、文法
  • 目標語彙数600~700語程度
    (現行の中学校の目標1200語の約半分)
  • 現行の中1生で習う文法事項の多く(中学校で学び直します)

小学校では、昨年度から、新学習指導要領が全面実施されていました。

 

以前から、その実施に伴い、新学習指導要領の先行実施が2018年度から行われていました。

 

全体の約3割の小学校では、この先行実施が行われており、先行実施をしている学校とそうでない学校とで学力差がありそうです。

 

また、小学校で英語の教科化と言っても、あまりピンときていない児童、保護者が多く、中学校で一から学び直しているという印象が強いです。

 

小学校の先生の、「英語の指導力」も問題になっています。

 

・小学校5年生から英語の教科としての学習が始まることを意識づけること ・小学校の英語専科教員の確保

中学校

All-Englishの授業
  • 新学習指導要領では、オールイングリッシュの授業が推奨される。個人的には、文法説明、補足は日本語で、それ以外は英語でもよいのでは、と思う。
習得語彙数
  • 現状の1200語から1600~1800語に増加 (定着が課題)
内容の難化
  • 現在完了進行形
  • 原形不定詞
  • 仮定法
  • 直接目的語に節を取る第4文型
  • 小学校と同じく、「発表」と「やり取り」の領域が追加され、4技能5領域の力を身につけさせる。
・オールイングリッシュのメリットデメリット ・さらなる学力差を生む ・ボトムアップの難しさ

高校入試への影響

各自治体によって異なりますが、以下のような変化が出ることが予想されます。

「話す」力を問う問題の増加
  • 東京都では2022年度から、スピーキングテストの実施。(ヘッドセットから解答を録音し、採点)
長文の語彙数の増加
  • 1分間に読む語数が35語から96語に増加
  • 問題文もすべて英語になり、難易度が増す
資格の点数化、当日の点数に加点
  • 英検®2級なら、80%、準1級で100%(大阪府)

 

最後に

いかかでしたでしょうか。

 

来年度からの実施に不安を感じています。

 

特に、様々な学力の子が存在する公立学校では、学力が平均の子に合わせた授業を行います。

 

その子たちにとって、オールイングリッシュや以前まで高校での学習範囲だった文法事項を理解させるための授業を作るのはとても大変なのではないかな〜と思っています。

 

しかし、どうにか力を伸ばしていける授業にするために工夫をしていこうと思います。

 

次回は、「新学習指導要領における授業の工夫」について書けたら、と思います。

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