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総合的な学習の時間を使った効果的な調べ学習の進め方

総合的な学習の時間は、通称”総合”として、道徳、学活と同じく、時間割に組み込まれています。

 

小学校でもそうだと思いますが、中学校では、校外学習や宿泊学習、修学旅行の準備に当てられたり、進路学習を行う時間という位置付けてなっているかと思います。

 

先日出席した研修会で、「総合的な学習の時間は何を目的とした授業か?」と問われました。

 

恥ずかしながら、「え・・・!?」と戸惑ってしまいました。

 

みなさんはいかかでしょうか?

 

総合的な学習の時間の目標

総合的な学習の目標を確認するために、学習指導要領を見ていきましょう。

 

 

2017年改訂学習指導要領

第1 目標
探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 探究的な学習の過程において、課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け、課題に関わる概念を形成し、探究的な学習のよさを理解するようにする。
(2) 実社会や実生活の中から問いを見いだし自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現することができるようにする。
(3) 探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに、互いのよさを生かしながら、積極的に社会に参画しようとする態度を養う。

 

2008年改訂学習指導要領

第1 目標
横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする。

 

アンダーラインを引いたところが、新学習指導要領で付け足された内容です。

 

実社会・実生活の中で興味のある事柄を探究し、自ら情報を集め、取捨選択し、仲間と協力しながら、まとめ・表現していくこと。

 

目標を達成するためのおすすめのテーマ:時事ネタ

2020年の総合的な学習の時間は、新型コロナウイルスの影響で、多くの行事がカットされたために、持て余してしまう時間が多くはなかったでしょうか。

 

私の勤務校では、中学3年生の総合的な学習の時間は、9教科の授業に振り替えられているのに加え、受験準備に使われています。

 

1、2年生は、体育祭や合唱コンクール、宿泊行事が中止となったため、多くの総合的な学習の時間が、何をしたらよいのかわからない時間になってしまっていました。

 

先ほどお話ししたように、総合的な学習の時間は、本来、生徒自身が興味や関心のある事柄を探究する時間であれば良いのです。

 

そこでおすすめなのが、「気になる時事ネタから1つの題材を選び、調べ学習を進める。」というものです。

 

私は2020年はコロナ一色だったので、「コロナと〇〇」という大テーマだけ決め、調べ学習をやらせました。

 

調べ学習の例

  • 「コロナと〇〇」という大テーマを設定する。
  • 〇〇に入るものは、コロナに関することならなんでも良いとした。
  • 例えば、「コロナと予防策」「コロナとビジネス」「コロナと政治」「コロナと娯楽」「コロナとスポーツ」「コロナと学校」など。
  • 生徒は、自分自身が調べたいテーマを設定する。
  • テーマが同じ、もしくは近いもの同士で5〜6人の班を作る。
  • 1人A4サイズの紙に自分のテーマをレポートにまとめる。
  • それらをグループごとに模造紙に張り合わせ、発表をする。

取り組みの期間

  • 調べ学習の時間は3時間設定。(情報収集は学校で1時間、足りないものは家庭で、もしくは放課後にパソコンルームで)
  • 張り合わせ、班での発表準備は2時間設定。
  • 発表会は2時間設定。

 

想像していた以上に一人一人のテーマが面白く、内容もとても豊かなもので主体的な学習になっていました。

修学旅行や校外学習の事前学習のおすすめのやり方:ICTの活用

学校での調べ学習は、いつも紙ベースの新聞形式、模造紙形式が多いように感じます。

 

来年度から、小中学校ではGIGAスクール構想も始まるみたいです。(あまり詳しくない笑)

 

そして、各学校にタブレットがしきゅうされはじめているので、ICTを活用したいなと思い、この発表方法に挑戦してみることにしました。

 

それは、パワーポイントを利用した発表です。

 

調べ学習の例

  • 一つだけテーマの軸を決める。(例:修学旅行だったら、京都、スキー宿泊行事なら、スキー)
  • テーマに関することならなんでも良いとする。(例:京都の見所、スキーの歴史)
  • 生徒の知的好奇心、探究心を大切にしたいので、あまり制限はしない。
  • 班で大きなテーマを決める。(例:京都の見所、スキーの歴史)
  • 大テーマに沿って、班員は小テーマをもつ。(例:大テーマ 京都の見所、小テーマ 清水寺、北野天満宮)
  • 班員は5〜6人。
  • 班で1つのパワーポイントを作成する。(1班:20枚以内)
  • 見ている人を楽しませるパワーポイントになるように工夫をさせる

 

パワーポイントにすると、写真や動画が使えるので、わかりやすい。パソコンが得意な子が輝ける。

最後に

いかがでしたか。

 

調べ学習が続いていて、マンネリ化が心配だったので、いろいろなやり方を考えてみました。

 

特にパワーポイントを使った調べ学習では、これから社会に出た時にも「わかりやすいプレゼン」を作れるようになるための勉強にもなるので、とても効果的な実践でした。

 

ぜひ参考にしてみて下さい!

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