注目キーワード
  1. 学級目標
  2. レク
  3. 道徳

対話的な生徒を育てるための効果的な話合い活動

みなさんの学校の生徒さんは、「話合い活動」に積極的に取り組みますか?

 

私は、クラスによってはうまくいくこともあれば、全然うまくいかないこともあります。

 

英語の授業の協働学習は成り立ちますが、道徳の話合いになると全然成立しないなんてこともあります。

 

最近はもっぱらこのことが悩みです。

 

・話合いの必要性を生徒が理解していない ・話合いの方法がわからない ・話合いの仕方に課題がある
どうしてうまくいかないのかを分析し、実践している最中ですが、その過程をお話ししていきたいと思います。

なぜ、話合いが必要なのか?を考えてみよう

 

「主体的・対話的な深い学び」と言われ始めた背景

この言葉を聞いたことのない先生はいらっしゃらないと思います。

 

新学習指導要領では、従来「生きる力」と表現されていた部分が、「主体的・対話的な深い学び」に変わりました。

 

その背景には、急速な社会の変化に対する危機感の高まりがあります。

 

我が国は、「少子高齢化」、「財政難」、「AIの発展への適応」など様々な課題があります。

 

それらの課題に対応し、生きていくために必要とされるのがこの「主体的・対話的な深い学び」なのです。

 

主体的・対話的な深い学びの目的
  • 今以上に、様々な国の人と協働することに適応していくため
  • 急速な社会の変化に対応する知識や技術を常にアップデートする必要あるから

 

必要となった背景がわかったところで、それぞれのポイントを見ていきましょう。

主体的な学びのポイント

見通しをもって、粘り強く学習に向かうことができるようにする

これを実現する手立てとして、「今日のめあて」を明確にするということが大切です。

 

小学校では、必ず黒板の左上に「今日のめあて」が書かれています。

 

これによって、子どもたちは、「この授業はどこに向かっていくのか」を理解した上で、学習に取り組むことができます。

 

私の中学校では、数年前から毎回の授業のはじめに「今日のめあて」を生徒に示すことが推奨されています。

 

例えば、「今日は、教科書の長文を読むことでどうしたら早く正確に読めるのかコツを学んでいきます。」というように伝えます。

 

授業の終わりには、どの程度めあてが達成できたのか、生徒に記させ、次回への見通しを伝えます。

 

これが二つ目のポイントです。

 

学習の後にそれまでの学びを振り返り、次へとつなげられるようにする。

 

対話的な学びのポイント

対話的とは、英語で”dialogic”と言います。

これは、”dialogue” 「対話、話し合い」から来ています。

自分だけでなく、他者と話合いをすることで自分では気づけない気づきを得て、考えを広げ、深めていく。

他者とは、生徒同士だけでなく、教職員、保護者を含め地域の方、先哲を含みます。

 

より自分とは異なる立場の人との話合いも求められています。

 

しかし、まずは生徒同士がしっかりと対話をできるようにすることが大切だと思います。

 

深い学びのポイント

教師が教える場面と生徒に思考・判断・表現させる場面を効果的に授業に取り入れる。

 

先生が知識を教える場面も必要ですが、生徒に「なぜ?」なのかを思考させ、話合いを通して、判断させ、それを表現させるという場面も必ず必要だということです。

 

まとめ

「主体的・対話的な深い学び」は、相互に関連しあっていることがわかります。

 

授業を構成する上で、これらを3つの柱として考えることは、「話合い」を充実させることにもつながりますね。

 

効果的な話合い活動の手立て

 

話合いの必要性を考える

「1人で考えた方がいい。」、「人と関わるのが面倒だ。」、「どうして人と学ばなければならないの。」と考える生徒はいませんか。

 

どのクラスにも一定数いると思うんです。

 

そういう子どもたちがいては、なかなか効果的なペア・グループ学習は成り立たないのではないでしょうか。

 

まずは、「なぜ、話合いが必要なのか。」をきちんんと生徒と考え、必要性を理解できることが不可欠です。

 

話合いの必要性
  • 他人と協働せず、生きていくことはできない。
  • 私たちの生活は、他人の協力で成り立っている。(学校、家族、部活、習い事、地域)
  • 人には他人との関わり合いが必要である。
  • 話合いを通して、自分では気づけないことに気づくことができる。
  • 新しい意味を見出し、創造していくことができる。

 

話合いのルールを決める

対話の基盤には、「他者を尊重する」という姿勢が求められます。

 

学級には、意見を主張することが得意な人もいれば、シャイでそういったことが苦手な人もいます。

 

ただ、自分の意見を主張することを目的にしてしまえば、「声が大きい人」の意見が通る、本来の目指すべきところとはかけ離れた話合いになってしまいます。

 

そこで、話合いのルールを設けることも効果的です。

 

話合い活動のルール
  • 仲間の意見に耳を傾けよう。
  • 仲間が話している時は、話終えるまで聞こう。
  • 自分の意見を積極的に発信しよう。
  • できるだけ、たくさんの仲間が話せるように、話合いの進め方を考えよう。
  • 意見を言えない仲間がいたら、積極的に聞き出せるようにしよう。
  • その仲間の意見を否定しても、その仲間のことを否定するのはやめよう。

 

私は、クラスで、話合いをする時に、各班に話合いのルールという紙を配り、定着するまで繰り返そうと思います。

付箋やホワイトボードの活用

話合いの際に、書き出したり、書き留めたりすることで、意見が整理されます。

 

書記をきめるなど、そんな大掛かりなことでなくていいと思います。

 

各自が付箋に意見を書いて、模造紙に似た意見をまとめて貼っていったり、ホワイトボードで各自の意見を整理して書いていくなどの方法はとても効果的です。

 

個人的には、ホワイトボードよりも、付箋のほうが、より多くの生徒が意見を出しやすいと考えています。

 

個人で考える時間を必ずとる

私はたまに、個人で考える時間を取らずに「少し話し合ってみて。」といってしまうことがあるので反省です。

 

2分でもいいので、話合いの前に自分の頭の中を整理する時間が必要です。

 

最後に

私は、まだ話合い活動を効果的に行うことができていないなと改めて思いました。

 

今回、この記事を書いてみて、もっと生徒に寄り添って、より多くの考えを引き出す授業をやっていかなければと感じています。

 

知ってはいたけれど、おろそかになっているところ、なあなあになっているところ、ひとつずつこなしていこうと思います。

 

みなさんも参考にしてみてください。

最新情報をチェックしよう!